2016.10.12 公開
エコウィンハイブリッドとは?雪国の暮らしを快適にする省エネ冷暖房
雪国の冬は、とにかく寒いのが特徴です。
一般的な一戸建て住宅では、各部屋にヒーターを置いて暖房しますが、居間、台所、寝室、子供部屋など、部屋数が多いお宅では、灯油代がひと月2~3万円ほどかかる場合もあり、暖房光熱費はバカになりません。
また、小さいお子さんがいらっしゃるお宅ではやけども心配です。ヒーターの吹き出し口にカバーを付けたり、ヒーターに近づかないようにするために柵を設けたりしているお宅もあります。
そこで、雪国の冬を快適に過ごしながら、省エネ、しかも安全な「エコウィンハイブリッド」という冷暖房システムについて解説します。
エコウィンハイブリッドは新しい冷暖房システムです。そのため、インターネットで検索しても情報自体があまりありません。また、説明が「輻射式」などの難しい言葉で始まっていたり、「年中春のような温かさ」といった抽象的な言葉だったりと、一体どんなものなのかが感覚的にわかりづらいのが実情です。
そこで、「技術的に正確な説明」よりも、「なるほどね!」と感覚的に分かる説明にチャンレンジしたいと思います。
エコウィンハイブリッドとは?
エコウィンハイブリッドを分かりやすく説明するために、他のものにたとえてお話します。
みなさんは、「オイルヒーター」をご存知ですか?オイルヒーターは、エアコンのように「暖かい風を出して部屋を暖める」のではなく、ヒーターの中に入っている油を電気で温めて、オイルヒーターのパネルから出る熱によって空気を暖める暖房器具です。
このような商品です。
オイルヒーターのようにパネルを暖めて部屋を暖める方法を「輻射式(ふくしゃしき)」と言います。
オイルヒーターには、「風が出ない」という特徴があります。そのため、「ホコリが立たず、部屋の空気を汚さない」「静か」「部屋の温度ムラが少なく、暖かさがやわらかい」などの特徴があります。また、燃焼しないため、ヒーターやストーブのように高温にはならず、やけどの心配が少ないため「安全性が高い」という特徴もあります。小さいお子さんや高齢者がいるお宅ではオイルヒーターを好んで使っている方もいらっしゃるでしょう。
エコウィンハイブリッドは、「熱源がエアコンになった、オイルヒーターのようなもの」とイメージしていただくと、直観的に理解しやすいでしょう。
オイルヒーターは暖房しかできませんが、エコウィンハイブリッドは、熱源がエアコンであるために、冷暖房が可能です。
図解!エコウィンハイブリッド
通常、エアコンには室外機と室内機があります。室外機と室内機の間は、「冷媒」と呼ばれるガスがぐるぐるまわっています。冷媒には、室外機で暖められた/冷やされた熱を運ぶ役割があります。暖房時には外の熱を部屋に、冷房時には部屋の熱を外に移動させます。それが、エアコンの仕組みです。
エコウィンハイブリッドは、従来のエアコンの室外機と室内機の間に、「エコウィン」と呼ばれる装置をつけます。
エコウィンとは?
エコウィンは、一般的に、パイプの中に冷水や温水を循環させて、空気を冷やしたり、暖めたりする冷暖房システムです。
エコウィンについては、こちらの動画が分かりやすいです。
エコウィンハイブリッドでは、エコウィンの熱源となる冷水や温水の代わりにエアコンの冷媒を使います。室外機と室内機の間にエコウィンを入れ、冷媒を循環させることでエコウィンが暖められ(または、冷やされ)ます。すると、エコウィンに触れた部屋の空気が暖まり(冷やされ)、エアコン単体のときよりも、効率よく冷暖房することができます。
ちなみに、ハイブリッドには「異なる2つの種類のものを掛け合わせる」という意味があります。ハイブリッドで有名なのが自動車ですね。自動車のハイブリッドには、「エンジンと電気で走る」という意味があります。
つまり、「エコウィンハイブリッド」は、エアコンのいいところと、エコウィンのいいところの2つを掛け合わせた冷暖房システムなのです。
エコウィンハイブリッドの特徴
エアコンとエコウィンの両方の特徴を兼ね備えたエコウィンハイブリッドには、次のような特徴があります。
- 従来のエアコンよりも最大34%省エネ
- オイルヒーターのような電気式輻射パネルよりも消費エネルギーは79%削減(約1/5)
- 部屋を暖める/冷やす効率がいいため、エアコンの風が少なくてすみ、静か
- エコウィンで周りの空気を暖める/冷やすため、部屋の温度ムラが少ない
- 直接的な風ではないため、空気の暖かさ/冷たさが柔らかい
- 燃焼しないため、安全
丸山工務店での施工事例
この画像は、丸山工務店でエコウィンハイブリッドを施工されたお客様のお写真です。リビング右側の壁と、キッチンの左側に設置してあるのがエコウィンハイブリッドのパネルです。ちょっとした間仕切りやインテリアのように使えるのも特徴の一つです。
エコウィンハイブリッドの特徴を最大限に生かすために
エコウィンハイブリッドは、非常に省エネで、効率のよい冷暖房システムです。この特徴を最大限に生かし、さらに省エネ性能を高めるためには、「冷暖房した空気を逃がさない」ようにするのがベストです。つまり、高気密高断熱にするのです。
たとえば、FPの家は、気密性、断熱性が非常に高いので、暖めた/冷やした熱がすき間から逃がさず、必要最低限のエネルギーで快適な空間にすることができます。
まとめ
エコウィンハイブリッドについて解説しました。
雪国の冬は環境が厳しく、寒いです。また、暖房光熱費もバカになりません。
厳しい環境だからこそ、快適に過ごしていただきたいし、暖房光熱費がかかるからこそ、お財布にやさしい家に住んでいただきたい。
そう、願わずにはいられません。
雪国妙高高原で70年余、家づくりに携わってきました。それぞれの家族で「理想の家」は違います。私たちは一つひとつの家族に合った「理想の家」づくりに携わらせていただきたいと思っています。
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