2016.08.19 公開
雪国新潟で家を建てるなら絶対見逃せない二つのポイント
家を新築するなら、まず頭に浮かぶのが、理想的な「間取り」や「外観」ではないでしょうか。
「キッチンは対面式にして、子供の様子がいつも見えるようにしたい」「家の中がいつもきれいに片づけられるように収納がたくさんほしいな」「洋間の方がおしゃれでいいな。でも、畳もリラックスできるかも」「かわいい(男性なら格好いい)家がいいな」……理想的な暮らしを考えると、夢も膨らみますよね。
家は毎日の暮らしを育むもの。理想的な「間取り」や「外観」を思い描くのは当然です。
一方、雪国新潟で家を建てるなら、「間取り」や「外観」の前に気に留めていただきたいことがあります。なぜなら、それによって家づくりの8割が決まるからです。
そこで、新潟で家を建てるときに絶対見逃せないポイントについてみていきます。
間取りや外観デザインの前に考えるべきは新潟の「雪」
「間取り」や「外観」の前に気に留めていただきたいことは、ズバリ「雪」のことです。
雪がさほど降らない平野部なら、雪のことはそれほど考えなくてもいいのかもしれません。けれども、妙高市や上越市をはじめとした上越地域や、湯沢などスキー場が近くにある南魚沼郡などでは、雪が、住宅設計の8割を決めるといっても過言ではありません。
なぜなら、雪の処理を考えると、家の形が必然的に決まってくるからです。
例えば、雪国の暮らしで大変なことの一つが、屋根の雪下ろしです。近年では、雪下ろしをしなくても済むように屋根の形状を工夫するようになりました。雪が屋根から自然に落下する「自然落雪型」にするなら、必然的に屋根の勾配は急で、外観は箱型になります。
このように、「雪」を中心に考えることによって、家の外観や屋根の形が決まります。間取りは、家の形状によって決まるのです。
デザインを重視すると住みにくい家になることも
普段の居住空間が家の中なので、「間取り」にこだわりたくなるものです。また、雪が降らない地域では、外観がモダンなデザイン住宅もあります。同じ住むなら、「おしゃれな家」のほうがいいですよね。「○○さんのお宅、ステキですね」と言われたいですし。
デザインももちろん大切です。建築費用やランニングコストを気にせずに自由自在にできるのなら、さまざまな設計ができるでしょう。
けれども、雪のことを考えないと、屋根の雪下ろしが発生したり、雪の処理に困ったりと、住みにくい家になってしまいます。「○○さんのお宅、ステキですね」と言われるのは年に数回ですが、家は毎日、ずーっと住むところ。日々の快適さ、特に雪国は冬が大変なので、冬の快適さを中心に考えるのがいいでしょう。
雪国新潟で家を建てるなら絶対見逃せない二つのポイント
新潟で家を建てるなら絶対に見逃せないポイントは、大きく分けると二つあります。
自然落雪にするか、しないか
一つ目のポイントは、「自然落雪にするか、しないか」です。自然落雪は雪下ろしをしなくて済むため体が楽です。しかもお金もかかりません。
雪国で家を建てるときに一番大切なのが屋根の形状です。自然落雪にするか、しないかで屋根の形状が決まります。屋根の雪が太陽の光で溶けやすいように屋根を南型に向けるとさらに効果的。このように考えると、屋根の向きも決まってきます。
自然落雪の屋根にするためには、雪が落ちる場所(土地)や排雪する場所が必要です。丸山工務店では、家を建てるときに最初に確認するのが、土地の広さと排雪場所です。
土地の都合で自然落雪にできない場合は、屋根の雪を手でおろすか、屋根に融雪の設備を入れるか、耐雪型の家にするかですが、融雪設備は設備費用とランニングコストが掛かりますし、耐雪型は家を丈夫にする必要があるためコストがかかります。ここは、さまざまな条件を踏まえて慎重に決めたいところです。
雪国の家では屋根が最も重要なことがお分かりいただけるでしょうか。
車庫をどうするか
二つ目のポイントは「車庫をどうするか」です。
地方に行けば行くほど、日常の交通手段は車です。雪が降った寒い日、家と車の除雪をして出勤するのは大変です。できれば、サクッと出勤したいもの。
車を家の中に入れるなら、コンクリートで底上げし、家の下に車を入れる高床式になります。自然落雪+高床式ならば、屋根から落雪した雪の処理も容易です。高床式住宅については、一年中多くのメリットが!雪国で高床式住宅が選ばれる8つの理由も参考にしてください。
なお、近年地震等が多く発生していることから、高床式は従来よりも丈夫に作るよう法律が変わりました。その分、コストがかかる場合があります。雪がそれほど降らない地域では、ピロティ形式にする方法もあります。
高床式にしない場合は、車庫を別棟に建てることになります。
冬の暮らしを最優先に考えよう
雪国新潟の家づくりについてみてきました。
雪国の家づくりは、雪国に住んでいないと分からないことがたくさんあります。雪国で家を建てて来た建築事務所や工務店は、冬の暮らしが快適になるように、さまざまな工夫をしてきました。
新潟で家を建てるなら、冬の暮らしを最優先に考えましょう。そのためにも、雪のことをよく知り、建築経験が豊富なハウスメーカーや工務店に相談しましょう。
雪国妙高高原で70年余、家づくりに携わってきました。それぞれの家族で「理想の家」は違います。私たちは一つひとつの家族に合った「理想の家」づくりに携わらせていただきたいと思っています。
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