2016.08.12 公開
高気密高断熱住宅とは?―後悔しない家づくりの重要なポイント
住宅メーカーのテレビCMや新聞の折り込みチラシを見ると、「高気密高断熱住宅」という言葉をよく見聞きするようになりました。
「高気密高断熱住宅」という言葉に、どのようなイメージをお持ちですか?「気密性と断熱性が高い住宅」というのが、一般的なイメージかもしれません。
実は、「高気密高断熱」という言葉には、最も重要なポイントが抜けていることをご存じですか?このポイントが抜けたままだと、家を建てた後に後悔することになってしまうかもしれません。
でも、安心してください。夏は涼しく冬はあたたかい、健康的で、快適な住まいの最も重要なのは3つ。そのポイントとは?
本記事では、本当の意味での「高気密高断熱住宅とは何か」について解説し、高気密高断熱住宅に必須の「3つの要素」について見ていきます。
高気密高断熱住宅とは
高気密高断熱住宅とは、文字通り、「気密性と断熱性が高い住宅」です。すき間がなく、高性能な断熱材でつくられた家は、「まるで魔法瓶のような構造」です。
もともと日本では、北海道や東北地方など、冬は雪が降り、寒さが厳しい環境で建てられ始めました。魔法瓶のような構造はわずかなエネルギーで室内があたたまり、部屋の空気を逃がしません。つまり、「あたたかい家」にすることが、高気密高断熱住宅のはじまりです。
なぜ、人気が高まっているのか
近年では、寒さが厳しい地域だけであなく、全国的に知られるようになりました。その理由は何なのでしょうか。
近年、日本の夏は地球温暖化の影響か、暑い傾向にあります。しかも日本の夏は湿気が多く、非常に蒸し暑いですね。
部屋の空気を逃がさない魔法瓶のような構造は冷房にも効果的です。わずかなエネルギーで快適な温度になり、室温を一定保つことができます。そのため、エアコンのランニングコストが抑えられ、体への負担も少なくすることができます。
つまり、一年中快適に過ごすことができるため、全国各地で注目されるようになり、高性能住宅の代名詞として知られるようになりました。
「高気密高断熱だけ」では本末転倒にも
一方、「すき間がなく高気密」ということは、見方を変えると、「室内の空気が循環しにくくなる」ということを意味しています。「高気密高断熱だけ」では、空気がよどみ、湿気もたまりやすくなります。アレルギーや喘息を誘発することにもなりかねません。
本来は、快適で健康的な暮らしをするための高性能住宅なのに、これでは本末転倒です。
そこで、高気密高断熱住宅には、もう一つの「適切な対処」が必要なのです。
重要なポイントはズバリ「換気」
高気密高断熱住宅の性能を最大限生かすための重要なポイントは、ズバリ「換気」です。24時間、ファンで計画的に換気します。
気密性と断熱性が優れているからこそ、計画的に外気を取り入れ、家の中の空気を循環させること。このポイントをおさえれば、夏は涼しく冬はあたたかい、健康的で、快適な住環境ができます。
つまり、高気密高断熱住宅の性能を最大限に発揮するためには、
- 高気密
- 高断熱
- 計画換気
の3つの要素が重要なのです。
まとめ
高気密高断熱住宅とは何かについてみてきました。
高気密高断熱住宅は、従来の木造建築に比べて高性能であり、快適です。
一方、特徴を理解しないまま「高気密高断熱」だけで建築を進めてしまうと、「こんなはずじゃなかった」と、思わぬトラブルになってしまいがちです。
非常に大切なポイントなので繰り返します。高気密高断熱住宅は気密性と断熱性だけではなく、計画換気も大切です。高気密高断熱住宅を新増築される場合には、計画換気も設計されているか、施工業者に十分確認してください。精通している施工業者なら間違いなく、計画換気の重要性を理解しています。
雪国妙高高原で70年余、家づくりに携わってきました。それぞれの家族で「理想の家」は違います。私たちは一つひとつの家族に合った「理想の家」づくりに携わらせていただきたいと思っています。
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