2016.10.07 公開
上越市で住宅を新築するならおさえたい13のポイント
上越市は新潟県の南部にある海沿いの地域です。かつては雪がたくさん降りましたが、近年は、やや少なくなってきているような気がします。
とはいえ、雪国には変わりありません。十分な雪対策はしておく必要があるでしょう。
丸山工務店では、半世紀以上、雪国妙高高原で家を建ててまいりました。そこで、これまでの経験から言える、「上越市で住宅を新築する際のポイント」についてまとめました。
上越市で住宅を新築する13のポイント
外観も間取りも自由設計ができるか確認する
雪国の家は、屋根の積雪など、雪に対する対応が必要です。屋根が変わると、外観が変わり、外観が変わると間取りも変わります。そこで、外観や間取りが自由に設計できるハウスメーカーや工務店を選びましょう。
間取りは納得できるまで何度も設計しなおせるか確認する
外観によって間取りは変わりますが、ハウスメーカーによってはできるだけ標準仕様になるように、間取りの変更を極力させないところもあります。これが原因で「希望通りの家が建てられなかった」と、泣き寝入りしたという声をよく聞きます。間取りは納得できるまで何度も設計しなおせるか確認しましょう。
健康と節約のために風通しと日当たりを考える
一昔前の住宅では、北面にトイレや台所を配置するのが一般的でした。北面はあまり日が当たらないために、トイレのにおいや食品の痛みを防ぐことが目的です。
けれども、近年は浄化槽が主流になってきました。また、家の断熱性能が格段に良くなっています(2020年以降は高気密高断熱住宅でないと家が建てられなくなります)。そのため、トイレや台所の位置にそれほどこだわらなくてもよくなってきました。
丸山工務店では、風通しや日当たりをお客様とよく相談しながら設計しています。特に冬の日当たりはありがたいものです。
冬の積雪を考え基礎の高さは80cm以上にする
建築基準法では、基礎の高さは40cmでよいことになっています。そのため、一般的なハウスメーカーの基礎の高さは40cmが主流です。
けれども、上越市のような雪国では、積雪のことを考えると80cm以上あったほうがいいでしょう。80cmあると万が一の水害にも安心です。
なお、妙高では雪が多いため高床式にすることが多いですが、上越市では相談したうえで、基礎の高さを決めるケースが多いです。
雪の重さを考え、柱は国産の4寸角にする
標準的な住宅の柱は、3.5寸(100mm)が一般的です。一方、雪国では屋根に雪が積もります。丸山工務店では雪の重さを考慮し、4寸(120mm)で設計しています。
外壁は耐久性を考え、鉄板系の材料を使う
標準的な住宅の外壁は、セメント質と繊維質を主な原料とした「窯業系」とよばれるものを使っています。外壁材と外壁材の間は「コーキング」という樹脂を充填して、雨漏りを防いでいます。
見栄えはいいですが、環境が厳しい雪国では、コーキングは5~6年で劣化してしまいます。
鉄板の外壁材は窯業系よりも強度があり、コーキングを打つところが少ない特徴があります。また、外壁材は横に貼るより縦に貼った方が、水が流れやすくなり長持ちします。
断熱材はウレタンにする
かつての標準的な住宅では「グラスウール」という綿のような断熱材を使っていました。
近年では、より断熱性能が高いウレタン材を吹き付けるか、ウレタンそのものが硬いパネルになっていて、強度もある硬質ウレタンパネルを使います。特に雪国の冬は厳しく、結露の影響もあり、結露対策は重要です。断熱材は何かを確認したいところです。
耐雪、耐震を考え筋交いと耐震ボードを併用する
標準的な住宅では、耐震性能を上げるために、柱と柱の間に「筋交い」と呼ばれる斜めの補強材のみで強度を上げるのが一般的でした。
しかし、雪国では耐雪の必要性があります。また、近年は地震災害が多いです。丸山工務店では構造計算をしたうえで、必要に応じて、筋交いに加えて壁そのものの強度を上げる「耐震ボード」を併用しています。
強さと振動を考慮し床は厚さ24ミリと12ミリの板を二重に貼る
かつての標準的な住宅では、床の厚さが12mmの板を一重に施工していました。けれども近年は、床の厚さを36mm(畳の場合は、床の厚さが24mm+畳の厚さ分)とすることが多いです。
床を36mmにすることで、家の強度が上がるほか、2階の音が1階に響かないメリットもあります。
暖房はエアコン(+エコウィンハイブリッド)にする
寒さが厳しい雪国では部屋の暖かさは重要です。標準的な住宅では、冬期間、部屋を暖めるために各部屋にヒーターをおいて暖房するのが一般的でした。
けれども、これから立てる家は高気密高断熱が標準となることから、熱効率がよく、暖房はヒーターではなく、エアコンを使うのが一般的になってきました。
また、エアコンをさらに効率的に使うエコウィンハイブリットという方式を使うと、初期投資は多少かかりますが、ランニングコストは非常に安くすることができます。一つの選択肢として考えたいところです。
住宅を新築する際には、「季節によってどんな空調を使うか」を、チェックしましょう。
結露を考えて、窓は国産樹脂サッシを使う
かつての「サッシ」と言えば、アルミが一般的でした。けれども、アルミは熱を伝えるため、外気との温度差によって、ガラスに結露が発生しやすい特徴がありました。特に雪国では結露がひどいです。結露は、断熱材を劣化させる原因になります。
サッシは熱を通しにくい樹脂製(プラスチック)を使うのが賢明です。また、結露を防ぐために、サッシを2重にするよりも、ガラス自体が多層になっている窓がオススメです。
洗濯物を干せるベランダをつける
雪国では冬期間、外で洗濯物が干せません。かといって、室内干しにすると部屋が湿気っぽくなってしまいます。洗濯物が干せるベランダをつけましょう。
なお、FPの家では、常時部屋の空気を計画的に換気しており、むしろ乾燥気味になることから、部屋干しでも問題ありません。
工事は雪国を知り尽くしたプロに依頼する
雪国の住宅は、雪対策に独自のノウハウが必要です。また、環境が厳しため、のちに、屋根や外壁などのメンテナンスが必要になる場合もあります。工事は雪国の特徴を知り尽くしたプロに依頼しましょう。顔が分かる工務店なら安心です。
まとめ
上越市で家を新築する際のポイントについてまとめました。
上越市は妙高市に比べると雪は少ないとはいえ、雪対策は必須です。住宅は高価な買い物ですし、生涯に渡って快適な生活を送るためにも、住宅を新築する際にはしっかりとした計画と設計が必要です。
雪国妙高高原で70年余、家づくりに携わってきました。それぞれの家族で「理想の家」は違います。私たちは一つひとつの家族に合った「理想の家」づくりに携わらせていただきたいと思っています。
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