2016.10.26 公開
気温データで検証―長野と上越の新築住宅に必要な断熱性能の違いとは
雪国新潟、長野の冬はとても寒いです。寒いからこそ、家では暖かく過ごしたいものですね。
家の暖かさに最も影響を与えるのが、住宅の断熱性能です。断熱性能はいいことに越したことはありません。けれども、性能がよいほど建築費用が高くなるのも事実です。
そこで、長野市と上越市の気温差を比較しながら、新築住宅に必要な断熱性能について考えます。
長野市と上越市の気温差
最初に、長野市と上越市の気温差について見てみましょう。
次に示すデータは、新潟県上越市(高田)の11月~3月までの気温データです。
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
最高気温( °C) | 21.2 | 15.3 | 9.5 | 5.9 | 6.3 | 10.3 |
平均気温( °C) | 16.0 | 10.2 | 5.3 | 2.4 | 2.4 | 5.4 |
最低気温( °C) | 11.6 | 5.9 | 1.8 | -0.6 | -1.0 | 1.0 |
出典:新潟県 高田の気温、降水量、観測所情報 を抜粋・編集 | 気温と雨量の統計
続いて、長野県長野市の11月~3月までの気温データです。
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
最高気温( °C) | 19.2 | 13.0 | 6.8 | 3.5 | 4.7 | 9.5 |
平均気温( °C) | 13.9 | 7.5 | 2.1 | -0.6 | 0.1 | 3.8 |
最低気温( °C) | 9.7 | 3.1 | -1.6 | -4.1 | -3.8 | -0.8 |
出典:長野県 長野の気温、降水量、観測所情報 を抜粋・編集 | 気温と雨量の統計
気温のデータで見てみると、長野市の方が3度ほど低いことが分かります。
現在使われている断熱材について
ここで、現在使われている断熱材について説明しておきましょう。
これまでの断熱材は、グラスウールと呼ばれる布団のような断熱材が一般的でした。けれども、グラスウールは結露などの水分に弱いことから、近年は、水に強く断熱性能が高い、ウレタン素材が使われるようになってきました。
ウレタンには、ウレタンフォームを現場で直接吹き付ける方法と、工場で圧力をかけて充てんし、断熱性能をさらに高めたウレタンパネルを用いる方法があります。
水に沈んでいるのがグラスウール、モコモコしているのが吹き付けのウレタンフォーム、四角い形状のものが圧力をかけたウレタンです。
この画像は、工場でウレタンを充てんしたウレタンパネルです。ウレタンフォーム吹き付けよりも品質が安定しているため、断熱性能が高く、結露の心配もありません。
断熱性能の高さでは、グラスウール<ウレタンフォーム吹き付け<ウレタンパネルとなっています。
上越の新築住宅における断熱性能
ウレタンパネルは断熱性能は高く、暖房光熱費が抑えられます。長い目で見たランニングコストも考慮すれば、ウレタンパネルのほうがおすすめです。
一方、新築時の建設費用が気になるも実際のところです。長野より気温が高い上越の新築住宅では、断熱性能と建築費用のバランスを考え、ウレタンフォーム吹き付けを選ばれるお客さまもいらっしゃいます。
なお、妙高高原などの寒冷地では、ウレタンパネルの使用をおすすめしています。
長野の新築住宅におすすめの断熱性能
長野市は上越市と比較すると気温が低いです。飯綱などの山間地では、マイナス15度ほどになるお客様も実際にいらっしゃいます。
寒い長野で新築住宅を建てるお客様には、FPの家などのウレタンパネルを使った工法をおすすめしています。
まとめ
上越市と長野市で寒い冬を暖かく過ごすための断熱性能についてみてきました。
家は長い間に渡って過ごす場所です。断熱性能が高いほうが、暖房光熱費が抑えられるため、長い目で考えるなら断熱性能が高いほうがいいでしょう。
一方、建築費用も気になりますよね。
長い目で考えたときのトータルコストか、それとも、建築費用か……どこに重きを置くかで、断熱性能の判断は変わってきますので、見学会に参加して実際に体感したり、工務店と相談したりしながら、お決めになることをおすすめします。
雪国妙高高原で70年余、家づくりに携わってきました。それぞれの家族で「理想の家」は違います。私たちは一つひとつの家族に合った「理想の家」づくりに携わらせていただきたいと思っています。